とら目線

創作と向き合う

終末トレイン吾野へ行く! ---天覧山を添えて---

このブログでは一度も話題にしていないが、毎週『終末トレインどこへいく?』を見ている。物語そのものが優れているわけでは無いけど、随所に遊びが散りばめられていて面白い。例えば設定。実際にある通信システムの進化系を想像して西武池袋線を丸ごと亜空間に変えちゃうとか、その中で活躍する(異世界なのに)写実的すぎる電車とか、各駅を進む中で出会う一風変わった住民とか。基本的は人類が滅んだ後の暗い設定なんだけど、ストーリーの魅せ方や会話劇を使って明るい雰囲気も残すところとか。徹底的に現実をやらない(現実の力学が通用しない世界を描く)のは映像作品の得意分野で、最近売れ線になってしまった、ともすれば”世相を映す鏡””になってしまったアニメの本分を思い出させてくれるような内容になってる。こういった作品には常にあってほしいと感じる。

shumatsu-train.com

で、昨日『終末トレインどこへいく?』の聖地巡礼に行ってまいりました。吾野に到着してビックリ、いや到着する前からビックリ、余りにも田舎すぎる。東京から一時間余り、ヤマノススメ聖地でもある飯能からほんの十数分の場所にここまで緑一面の山景色が広がってるとは思わなかった。ほんとにね、東飯能を抜けると一気に世界が変わるんだよね。一駅間も長くなるし、人間よりも自然の方が優位に立つというか、自然に合わせて生活が為されているというか。地図を見ても鉄道が真っ直ぐ走ってなくて明らかに蛇行してるんだよね。飯能周辺は普通に開発地だったので、ここまで街並みが変わるのに驚いた。まあ西武池袋線の中でも所沢を過ぎて少し……入間辺りからちょっと自然が増えてくるんだけど。相模原の辺りでもこんな感じで景色が変わっていったのを思い出した*1

実は午前中予定があって、『ヤマノススメ』の巡礼を済ませるのが精いっぱいかなと思っていたんだけど、実際行くと吾野まで行きたくなってきて。早めに出発できたから日没まで大分時間がある、だったら流れに身を任せるしかないだろうと。そうまでして吾野に行こうとする自分に対して「思ったよりこの作品好きなんだな」と感じたりもしたね。

到着後はとりあえず吾野宿へ。一話冒頭に出てきたとこね。

交流ノートには木野日菜さんと中島怜さんのコメントが。しかも書いたの巡礼日。とんでもない日を引き当てたな。

宿泊客の方々もいるので「これ以上は入れないな…」…と二の足を踏んでいると管理人さんが戻ってきて我々を中に入れてくれました。建物だけでなく蔵まで入っていいと言っていただいたので隅々まで観察*2吾野宿は明治期に建てられたそう。以前の吾野は宿場町だったみたいね(秩父と東京を繋ぐ)。

建物自体も素敵な場所だったのだけど、管理人さんが熱心に説明してくれたのが心に残ったね。吾野宿に対する思い入れを感じたし、アニメの聖地として描かれたのも誇りを持って受け止めている感じで。聖地巡礼って必ずしも歓迎される行為じゃないから、巡礼者は毎回現地での扱いや視線にビクビクしながら行くんだけど、最後に「また来てください」と言っていただいた時にはとても暖かな気持ちになったし。いいところだったので人を誘って泊まりに行きたい*3

この後は若松屋さん(吾野宿の隣)で東郷せんべいを買って、ある程度散策して飯能まで戻った。『ヤマノススメ』の聖地巡礼は既に相当数あるだろうから写真だけ。駅に着いた時、天覧山の山頂に着いた時(正確には展望台の土台になってるコンクリートを見た時)、観音寺の白い象を見た時に「観た事ある……」と声が出た。画面で見ただけなのに既視感があるような。これだけ作品に慣れ親しんできたということだね*4

最後は東飯能から乗って帰路へ*5。まあこの旅は池袋に着かないと終われないでしょ。

というわけで池袋に到着!大変楽しかった。

*1:座間の辺り

*2:宿泊客の方々、お騒がせしました

*3:水島努監督は4回ほどロケハンに来たそう

*4:道中、他の巡礼グループにも二組出会った。根強い人気があるなぁ

*5:最初に東飯能から降りるのが正解だった