とら目線

創作と向き合う

アイドルとの向き合い方、虹ヶ咲との付き合い方

アイドルは現実逃避だ。アニメ系全般も然り。

振り返ってみると、殆どアイドルや特定のコンテンツにハマるのは現実と向き合えていない時だった。立ち向かわなければならない問題から逃げ、安易な救いに手を伸ばす時、アイドルにハマる。

前提として、これは私の場合であって、全ての「アイドルが好きな人」が同じパターンを通っているとは限らない。アイドルの姿に励まされ、現実に立ち向かおうとする人もいるだろうし、それは喜ばしいことだ。

避難所

「アイドルにハマるのは現実逃避したい時」というのは(多かれ少なかれ)全ての人に当てはまるだろう。動機よりも「休息した後にどう動くか」の方が重要かもしれない。現実に戻るかどうか。夢を見続けるかどうか。選択肢は色々ある。

情報エントロピー

私はアイドルに励まされた後、現実に戻れていただろうか。半々な気がする。夢心地で過ごした時もあれば、もう一度頑張ってみようと勇気を出したこともある。好きなものが嫌いになって、強制的に現実を見せられた時もある。

私の経験は一旦置いといて、アイドルや二次元コンテンツと向き合う時に大事かもしれないと思っているものがある。それが情報エントロピーだ。まずこちらの動画を見てほしい。

youtu.be

動画内で説明されている通り、同じ人と飲み会で何度も話すとやがて相手から得られる情報が0に近づいていく。そうすると面白くないから次第に会わなくなる。逆に久しぶりにあった人からは色々と知らない話が聞けるので情報のエントロピーが大きくなる。だから刺激的だし、楽しい。だからこそ何度でも笑える"鉄板ネタ"を持つ芸人は凄い。情報的には一つも新しいものがなくてもリアクションを取るのだから*1

アイドルやアニメ系コンテンツを追う上でも情報エントロピーは意識した方がいいと思う。最初は楽しくて仕方なくても、同じ刺激ばかり入っていたら必ずそれに慣れる*2。そしてもっともっと欲しいと感じてしまう。ドーパミンが大量に出るタイプの趣味は大体同じ性質を抱えている*3。手軽に楽しめるものは慣れやすく、時折しか快楽の手に入らないものは長続きしやすい。最近話題になったもので言うとキャンプなんかがそうだろう。他にも登山とか写真とか、一瞬の巡り合わせが重要な趣味は情報エントロピーが0になりにくい。

情報量が多すぎると混乱する

この話で言うと、手軽に楽しめるアイドルは"日持ち"が良くない。経験から言って一年から一年半くらいで情報エントロピーは30を切る。大体の流れが予測出来るようになるため、同じことの繰り返しでも楽しみは減る。ただしライブは違う。大掛かりなセットを使い、沢山の人の手で完成させるライブは大抵ドーパミンがドバドバ出る*4。だからアイドルは人の心を掴んで離さないし、一度売れると長続きしやすい。

注意も必要だったりする。ライブの情報エントロピーは大きすぎる。基本的に人の処理能力を超えるような情報量が提供される。そうすると脳は思考停止を起こしテンションがおかしくなる。良く言えば自分に素直になれる瞬間だが、悪く言うと自制が効かない状態になってしまう。

私はこの性質を考慮しつつも、ライブに行くのを躊躇わないようにしている。同じ内容で行われるステージは二度とないからだ。演者やセットリストが同じでも時折その日だけの化学反応が生まれるし、演者が変われば全然別物になるし、その様を見るのは楽しい。

去年はイベントに行き過ぎたかも

そうは言っても去年は虹ヶ咲のイベントに行き過ぎた*5。UNIT LIVEから6th Liveにかけて実に十六公演である*6。遠征に伴う移動もあったため情報エントロピーは更に増大している。今年はあまり虹ヶ咲のライブ・イベントに行く気が起きないのだが、脳が処理落ちを起こした結果と見てよさそうだ。

「虹ヶ咲から得られる情報エントロピーが低下した」より「脳の処理能力を超える情報量が入ってきた」と考えた方が自然だ。まだ消化に時間がかかっている。勿論この二つは同時に起こっている。満漢全席を食べるとお腹がいっぱいになる(胃袋の処理能力を超える)と共に食欲がなくなるのと同じで、脳が似たような(それでいて微妙に違う)情報を叩き込まれてお腹いっぱいになったと考えればいい。

満漢全席を食べ切った後に……

この間、虹ヶ咲7th Liveの日程が発表された。まだ去年得た情報の処理が十分でない私にとっては「満漢全席の後に特盛チャーハンが出てきた」ようなものだ。多分伊勢海老とか乗ってるだろう。良質だが食べるには苦労する。

発表されたからには申し込みをしないといけない(当たらない)のだが、今回は若干タイミングが早かった。まだ行く気にはなれない。そのうち回復するはずだが。

キャパシティを超えたらどうすればいいだろう?

"毒素を排出する"しかないのかなと考えている。日々を真剣に生きて虹ヶ咲のことを忘れてしまうくらい充実した生活をする*7。そうすることで頭の中の"詰まり"が解消されて思考が整えられ、虹ヶ咲と再び新鮮な気持ちで向き合えるようになるはずだ。デトックスは脳においても大事なのだろう。

今日からそうすればいいのだが、少なくとも一手遅れた。7th Liveの申し込みは見送る方向でいる。虹ヶ咲に対する情報を今増やすべきではない。

このままだとシャニマスもキャパシティを超える

今年はシャニマスのライブに多く通っている。異次元フェスから数えて五公演、発表済みのものに全て通えば九公演になる*8。全て関東圏だから去年ほどの負担はないが、このまま全ての公演に行くとしたら7th~7.5th辺りでキャパシティを超えるだろう。どのアイドルコンテンツも精力的に活動しているため、虹ヶ咲が特別「活動的すぎる」わけではないし、継続的に通う為のメンテナンスは自分ですべきだとも思う。つまり本気で現実と向き合ったものだけが健全にアニメコンテンツと付き合える。ここで最初の話題に戻ってきた。シャニマスにしろ虹ヶ咲にしろ、現実を見ない為の避難所として使うなら直ぐに飽きてしまう。今まではそうやって消費するだけでも十分だったが、私としても「長いお付き合いがしたい」と考えている以上、しっかり現実を演(や)るのが大事だ。

アニメコンテンツのために頑張れるか

分からない。分からんなぁ……

でも恩はある。せつ菜にもかすみにも。めぐるや果穂にも。だとしたら適切な形で貰ったものを返したいとは思っている。現実逃避として選んだ先が努力する理由、現実と向き合う理由になるなら立派だろう。中村繪里子が「趣味/特技・アイマス」と言っていたが、そんな心境なのかもしれない。冒頭で言い切った通り、現在はアニメコンテンツやアイドルを現実逃避先として見ているが、そうではない新しい見方を出来ると嬉しい。少しずつでも歩みを進められたら、と今は考えている。

初めての音は なんでしたか?

あなたの 初めての音は…

ワタシにとっては これがそう

だから 今 うれしくて

初めての言葉は なんでしたか?

あなたの 初めての言葉

ワタシは言葉って 言えない

だから こうしてうたっています

malo feat.初音ミク/ハジメテノオト

*1:様式美っていい言葉だと思いませんか

*2:心理学で言うと「順化」

*3:ギャンブルとか

*4:デカい音がガンガン鳴るだけでも大きな効果があるはず

*5:にじたびを含むためライブとは称さない

*6:異次元フェス込み

*7:虹ヶ咲から得た情報が毒だと言っているのではない。脳がバグっているのを正常に戻すという意味

*8:リスアニを含む