とら目線

創作と向き合う

刀使ノ巫女 感想 8〜12話

8話

ほぼ説明なので取り上げる必要は殆ど無いですね。朱音さんの話を聞く際、全員座り方が違って個性が出てた。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会
枕元での会話シーン、寝るのが趣味の沙耶香ちゃんだけぐっすり眠ってますね。さすが沙耶香ちゃん。

 

見つけたぞ、朱音
回収したサンプルから目が出て居場所を突き止められてしまいました。折神紫(タギツヒメ)の強大な能力のおかげで広く捜索できるのか、親衛隊に使うノロだけ特別なものを使っているのか、将又別の理由なのか、ちょっと謎ですね。多分前者かな?新型スペクトルファインダーもその技術の応用系なんでしょうか。9話で折神紫によってもたらされた新技術を「お茶を淹れるようなもの」と爺が評してましたけど、新型が出ていたり荒魂のねねの方が捜索範囲が広いあたり、まだまだ改善中の様子。タギツヒメさんが科学技術との融合に苦心してたと考えると…ちょっと面白いかもですね。

 

 

9話

開幕お風呂。舞衣は15話も含めて基本的に刀使として戦う理由を求めることがテーマ。沙耶香ちゃんの方は今後も荒魂殲滅の第一線で活躍してますが、別の形で戦う理由を考え始める(こちらは戦うことの意味、といったほうが近い)ので、凹凸ながら結構近いコンビだったり。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会
風呂上がり後は浴衣に着替えてお祭りへ。チョコミントバナナに目を輝かせるひよよん、こういう素の中学生を大事に抑えてくれるシーンはやっぱり大事。沙耶香ちゃんの方はまだ楽しみ方がよくわからない感じ。

 

人が犯した罪
お祭りのあとは非常に大事なお話。ノロの管理が一極集中になった本当の理由、そして知性を持った荒魂の存在が明かされます。紫様が当主になる以前から情報操作自体は始まっていたんですね。


御刀のために生まれる荒魂を斬り伏せること。経済的、軍事的な理由でノロを集め、最終的に大荒魂まで作り出してしまったこと。(現状タギツヒメに支配権が移っているので話がややこしくなっていますが、)これらは全て人の都合で引き起こされたものであり、本来ノロは被害者として扱われるべき存在です。しかし刀使たちは長きに渡ってノロや荒魂を‘‘害’’と見なし、斬る選択肢を選んできました。この歴史に対して刀使が全責任を被る必要はなくとも、功罪の両面を一人一人自覚した上で戦わなければならない。(注) そんな御説法を爺と塁さんから聞く6人。この辺りも世界観設定としてよく考えられていますが、活かしきれたかは微妙なところです。戦闘メインになりますから、人とノロ(荒魂)に関するテーマは踏み込む時間がなかったとしか言えない。僕のような変態オタクには大好物の話題なので、もう少し掘り下げて欲しかったなあと感じるところもあります。情報をポンと出してくれるだけでも、そっから色々と広げられるんですけどね。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

母の見たかもしれない景色を思う2人。だいぶ打ち解けてきました。この2人には戦う理由がありますから、話を聞いても特に動じるところはありませんね。 ところで、この次の画像まで《》で括ったところはぜーーーんぶ飛ばしてもらっても大丈夫です。読み始めればわかりますが、全くどうでもいいことばかり書き連ねておりますので笑


《例えば勝手に想像の域を広げると…ノロの知能の存在が発覚したのは恐らく60〜70年ほど前、少なくともこの情報だけは現代まで明るみに出ていないことになります(姫和のセリフから考えるに、軍事利用の件も正確な歴史では伝えられていない…終戦後、米軍の介入しやすいように歪められている可能性が高い)。とりあえず日本はこの世界でも敗戦し民主化しているはずなので、簡単に情報を隠蔽できる社会ではないでしょう。それにも関わらず長年政党間の争いになる暴露やマスコミの調査による発覚も起きなかったということは、刀剣類管理局の情報統制能力が非常に高いか、政府(国会)との密約が何らかの形で機能していた…などの推察が出来ますね。14話を見るに、前者でしょうか。

 

逆にそうであれば、知性を見せ、コミュニケーションの取れる荒魂…ねねの存在が公衆の面前に触れていることに関して疑問が生じてきたりもします。

他にもこの世界での動物愛護(福祉)団体に荒魂はどういう考えで扱われているのかとかもちょっと気になります。


あとはまあ、舞草という組織はある意味非常に人間らしいエゴイズムがあるといいますか、ノロに対する人間の失政を糾弾する割にタギツヒメを討ち滅ぼして日本を人の支配の下に取り戻す、という考え方なんですよね。勿論彼らはあくまで人を守る組織ですから、被害を阻止する為動くのは当然です。しかしまあ、15話を見てもやはり人とノロを真に対等と思っているようには思えないというか、一種の独善性が見えなくもありません。人ですから当然の思考ですけどね。あくまで長尺割いて偉そうに説教する割には、という感じです。


(注)

さして詰める必要のある話題とは思いませんが一応書いておきます。刀使が荒魂討伐を行ってきた責任を問う際に考慮するべき観点は主に3つ。

①荒魂が知能(感情)を有すると知らなかった

情報が握り潰されているので、知る由もないことです。責任の所在は間違いなく政府と刀剣類管理局上層部にある。


②無力な人々に変わって荒魂を鎮めてきた

4話の姫和のセリフから推察するに、最初にノロを生み出してしまったのは人である(初めから御刀製造目的であったかどうかは定かではない)という意識自体は世間にもあるようです。そして、ノロや荒魂に対する負の歴史を討伐実行者である刀使に押し付けている。実質は(日本)人全体に責任のある話です。刀使はたまたま討伐の執行者であったに過ぎない。


③刀使の行為が人を救ってきた

これはまさに正の側面ですね。荒魂は人的被害ももたらすので、放置するわけにはいかない。刀使のおかげで命を救われた人も多く存在するし、ノロに知能があると知れ渡ったところで荒魂が人を襲うのは変わらない。刀使には存在しなければならない理由があります。


この3点を考慮して尚、刀使には各自が正しい情報を知り、荒魂と向き合う必要があります。正の側面を持ち上げることも必要ですが、負の側面について事実を直視することも大事ですからね。知能の有無を善悪判断の基準に持ち込むべきか否かという、別の問題もありますが…とりあえず爺が言っているのはそういうことなのだと思います。》

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会 

「私には、何ができるんだろう。」「舞衣は、何でもできる。」篝火の下、舞衣と沙耶香ちゃん2人の会話。


さて、「ノロと人」というテーマと付き合うことになった舞衣。今まで信じ込んできた‘‘正しさ’’は真実の前に無力であり、途端に暗闇へと消えてしまいました。それでも人々を守るため、刀使として前に進んでいかなければならない。

 

ここで一度、7話を振り返ってみましょう。「だって私は、沙耶香ちゃんよりもお姉さんだから!理由なんて、それだけで十分!」と言って、舞衣は命を懸けて沙耶香ちゃんを守ろうとしました。自分のことよりも他人のこと(あるいは荒魂まで)を第一に考えて行動できる心優しい少女故に、自身の行動目的が弱い舞衣。可奈美の助けとなるため、タギツヒメ討伐に仲間入りした方が良いという漠然とした未来は描いているものの、具体的にどこまで踏み込み、関わるべきかまだわからない。その上、‘‘善行’’だと信じてきた刀使の正当性が揺らいだ時、彼女自身の使命も同時に揺らぎをかけられてしまう脆さも持っています。

 

それでも、自分が何者であるかもまだ確定出来ていない沙耶香ちゃんからすれば舞衣は雲の上の存在であり、繋がりもない他者である自分を救ってくれた大切な人。同じように悩みながらも、沙耶香ちゃんは舞衣お姉ちゃんのことをちゃんと見ていて、励まそうとしているんですよね。


舞衣のことは10話で再度触れます。

 

舞草壊滅
そして和む日常シーンの後にありがちなぶち壊しシーン、結芽がひゃっはー舞草は消毒だーと殴り込みをかけて壊滅に追い込みます。やっぱ親衛隊は格が違いますね…戦闘シーンだと逆に語ることがないので9話はここで終わりますが、結芽はまだ退屈な感じ。血吐いちゃいましたね。真希さんと寿々花さん、結芽はそんなに戦えないんだからそこにいるなら代わってあげなさいよ…と思わんでもない。

 

 

10話

読み合いは折神紫が一枚上手。舞草の拠点は殆ど抑えられちゃいました。

「海外にでも逃げるかい?」と爺が言ってますけど、この時点でもタギツヒメに隠世の門を開く力はあったんでしょうか。そうでなければ…収拾をつける最大手は核兵器投下…とかですかね。シン・ゴジラじゃないですけど。

 

折神紫陣営の反応
この回は親衛隊側の二人も事態に対応出来ていないのが描かれます。後から仲間になるので、この辺りの描写を少しでも挟んでおくのは大事ですね。(結芽と夜見がどの程度自体を把握していたのかは分かりませんが、少なくともこの2人よりは動揺が少ないですね。)

限られた情報の中で冷静に紫様の護衛役として留まる二人と見事踊らされる高津学長…ダメだこの人。

 

舞衣の決意
次に潜水艦内の会話。やはり舞衣は自分の‘‘外側’’に行動理由を見つけました。誰かを思い、その人のために自分の覚悟を決められるということは、内にある自分だけの世界よりも相当広いことが出来るということです。当然、その分だけ視野も広い。前回厳しい言葉をかけた姫和もちゃんと舞衣のことを見ていますね。この子は自分の手の届く範囲なら合理的な判断をするんですけど、やはり柔軟性に難があるというか、想定外の出来事に弱いというか…

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

エレンも無謀な計画に賛同してくれます。舞衣とはちょっと違うお姉さんぶりを見せる時がありますね。

 

タギツヒメ再臨〜ミサイル発射
やばい現象が起きたので、朱音さんは即効でマスコミを集め、本陣に6人を送り込む算段になりました。とりあえずカチコミかけるぞって脳筋ムーブもまた一興です。しかし、直前に交わされる会話がフラグの匂いしかしない。『selector infected WIXOSS』でこんなシーンありましたね。(12話、小湊るう子とタマの約束)


そして横須賀港で演説、名シーン?S装備ミサイル射出。こっちで思い出すのは『蒼き鋼のアルペジオ』。柿本監督が助監督を務めていらっしゃいますから、意識した面があったのかも?selector(総集編)もアルペジオ(総集編→新作)も劇場公開まで辿り着いたアニメですから、オススメです。しかし、何だか懐かしいですね。

 

 

11話

3方面の戦闘が同時に展開されるかなり忙しい回。

①結芽vs薫、エレン

②夜見vs沙耶香、舞衣

③真希vs姫和 寿々花vs可奈美


①結芽vs薫、エレン

弱いから残されてしまったお二人。やはり長船コンビは個々の実力的には若干劣るようです。勿論精神的には最も大人ですので、半ギレ結芽の煽りを跳ね除けて連携しながら追い詰めます。

まあ最終的には負けてしまいましたが、時間稼ぎとしてはいい仕事になりました。そして明かされる結芽の秘密。荒魂の力を使わない!と叫ぶ意志の強さにはかなりキャラクターイメージを変えられましたね。2周目で見るのはしんどかった…1周目の人には結芽をしっかり見てほしいなあと思うのですけど、結芽を見て!と言ったら先がわかってしまうのでまたそこが難しい。覚えていてくれればそれでいいんだよ…

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

怒りのままに振り上げた剣でねねを斬ることなく、可奈美たちを追いかける結芽。その途中で力尽き、誰にも看取られることなく泡沫の夢のような人生を閉じます。残された時間を戦いに注ぎ込み、周囲の記憶に名を刻むという‘‘意味’’に賭けた彼女の姿勢がどれだけの人に届いたのかは定かではありません。しかし、彼女の人としての‘‘価値’’は、12歳ながら純然たる強さに拘り、他者を不要に傷つけることのなかった物語中の行動にのみ測ることが出来るでしょう。それを覚えていられるのは我々だけです。


②夜見vs沙耶香、舞衣

高津学長、全く反省していない…現場指揮で自発性を発揮した舞衣、自我を手に入れ、自発性(沙耶香ちゃんの言う‘‘熱’’の行き先)を模索中の沙耶香ちゃんにお説教される始末。ダメだこりゃ。

夜見の頭には一つの目的しかないので、学長には何の文句も言いません。頭ぶらぶらされるシーンめちゃくちゃ好きなんですよね。かわいい。残りは12話の方で述べます。


③真希vs姫和 寿々花vs可奈美

荒魂特有の目を開放し戦う二人。🦍希さんは結芽や紫様に追いつきたいようですが、荒魂を受け入れることの重大さにはあんまり頭が回ってない感じで…寿々花さんの方が深く考えていそうですね。紫様を全面信頼している素振りもありません。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会 

さて、こちらは両方主人公サイドの勝利で決着。可奈美は対応力が高い生粋のカウンターパンチャー(?)ですね。寿々花さんには自分を止めてほしい思いもあったのでしょうか。

 

姫和はS装備パージで隙を作って一閃。なのはさんもよくやるやつですね。全体が爆発するのかと思ったら真ん中のやつだけ弾け飛んだのはちょっと面白かった。

 

 

12話

夜見vs沙耶香、舞衣

孤独なタギツヒメさんとの戦闘…の前に夜見との戦闘が決着。沙耶香ちゃんに同情される始末の高津学長、なんでこの人こんなにダメなの…

 

親衛隊第一席、獅童真希
🦍さんは親衛隊を代表し一人向かいます。この人、力はあるくせ結構脆い。薫にビビってんだろと看破され、タギツヒメとの戦闘も見ているだけ。しかも寿々花に顔見せもせず逃走して脳筋特有の単独行動。そりゃビンタされますわな。姫和も真希も、残される方の気持ちをこれっぽっちも考えちゃいないのですから…

 

決戦 VSタギツヒメ
可奈美、姫和はタギツヒメさんの明眼による未来視に大苦戦。一太刀入れると即座に怪物となり、6人同時に相手しても圧倒。とても強い。

そして紫様が乗っ取られた経緯も明らかになりました。ここ、ちょっと疑問点がありますね。

一つは、タギツヒメ討伐のための奥義自体が成功していたのかどうかということ。隠世へ到達するまでは一定の時間が必要であり、その間に交渉を行ったということなのか、奥義自体が効いていなかったのか。この辺はよくわからないですね。


もう一つはなぜタギツヒメが生まれた時から紫の存在を知っていたのか。高度に発達すると周囲にあるノロとの繋がりで通信が出来たりするのかもしれませんね。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会
場面変わって藤原湊さん登場。颯爽とボッコボコにした後消えちゃいます。短くても紫との戦闘は楽しかったでしょうな。

 

湊の助けを借りてがら空きとなった紫の胸元目掛け、姫和は奥義を発動。紫の再生も間に合わず隠世の彼方へ共に消えようとする中、タギツヒメは分離して逃げ、可奈美もギリギリ間に合いました。

 

ここも湊が顕現するシーンや姫和を連れ戻せたこと、紫様が後から生きていたこと…などどのような原理で働いているのかわからず、御都合的なところが多いです。ただ、12話ですし、もう1期終わりだから別にいいかなって。『結城友奈は勇者である』も、12話はよくわかんなかったですからね。なせば大抵なんとかなる。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

一旦の勝利を手に入れ、隠世にも行かずに済んだ2人。思いが通じ合うシーンを1期の最後に持ってくるのは中々ずるい演出ですね。


というわけで、たとえこの身が果てようともをバックに二人が手を繋いでいるシーンで胎動編は終わりです。中々濃密になってしまいました。とりあえず形にしたいと思っていたので、しっかり終わらせられたのは良かったです。3週間かかりましたけどね…

この反省からわかることはあまり長く書きすぎて収集つかなくなるのはやめろ…ということですね。 一つの文章を埋めるのに3日以上かかったところもあって、なかなか伝わりやすい書き方が思い浮かばずに中々苦労しました。その点で皆さんにしっかり共感していた抱ける内容のものになっていればいいなと思います。


ちなみに1期初見時は、割と面白おかしく見ていたこともあってか、そこまで熱中して見たわけではありませんでした。7話の構成は最初から非常にいいと思っていましたが、他の話数は2周以上することで細部まで広い、新たな発見で更に補強出来た理解も多くあります。所謂伏線というやつも結構張り巡らされているので、一度見た方でももう一周してみるのもいいかもしれません。では、13話~24話の感想でまた。こちらは既に感想の書いてある部分もあるので、そこまで時間はかからないと思います…もしかしたら、細かく4話ごとくらいに分けて書くかもです。見ていただいた方、ありがとうございました。

 

 

 

さて、おまけです。

本来これが冒頭にあったんですけど、長すぎるんで急遽一番下に持ってきました。意図としては、自身の見た1話と世間の評価にギャップがあるため、その溝を埋めたいということです。画像もありませんし個人的な疑問を乗せるだけなんで文章的な価値は殆どありません。付き合ってくださる方はよろしくお願いします。


さて、まあ1話はみなさん知っての通り大不評ですよね。見る前から不評は耳に届いていたのでハードルは下げていたのですが、それを考慮しても割と普通だったので拍子抜けしたところがあります。そこで、周囲が混乱しそうなところをピックアップしつつ、自分がどのように受け取ったかを記してみようかなと考えました。

 

では見ていきましょうか。

 

・開幕

OP無しで時系列が一気に飛ぶタイプは珍しいですね。今季だと『はるかなレシーブ』だけでしょうか。頭の切り替えとしてOPを先に持ってきた方が良かったかと思います。(ちなみにはるかなレシーブはOPEDが3話以降なので、単純に制作が間に合っていなかったようです。)


ただ1話のみアバン→OP→本編で一気に時系列が飛ぶ/全く関連性がなくなるタイプの作品は珍しくないので(今季見ている中では4作)、大きく混乱を引き起こすものでもないかなと思います。


可奈美と舞衣のチャンバラ決勝

→アバンで制服の女子高生が戦っていたことから見て明らかに刀使育成機関


・可奈美優勝~鎌倉到着

剣術大会成績優秀者による全国大会なのは多分見てればわかる


・旅館~‘‘写シ’’

自分も最初は見当違いで、リリカルなのはの非殺傷モード的なものを想像しました。写シを張っている人の攻撃は透明化され、実体に効力を及ぼさない(=術者側の殺意に依存する)ものか?と

ただ何にせよ、実際の刀で斬り合ったら流血事件になりますので、何かしらの護身術ということは判断出来るように思います。


・大会1回戦~準決勝

この辺り、あまり深く考えてなくて… 明らかに緑色の人(ひよよん)が何かやらかす雰囲気だったので、メインキャラの顔見せ程度に考えてスルッと見流してしまったというか。この辺りで違和感を強化してしまった人が多かったんでしょうか。

 


・決勝

緑色の人がやらかしてくれました。可奈美の「まだ勝負終わってない」だけ理由として浅いなと思ったんですけど、決勝も終わってめでたしめでたしだと物語が終わってしまうので襲撃~逃走の流れに関しては特に何も感じないまま1話終了。

 


というわけで、そこまで大きく思考を乱されるようなところもなく終わってしまった形。勿論、放送当時見てた人は他のアニメを見ながら1週間記憶を維持しなければならないですし、宣伝を受けて荒魂と戦うんじゃないのか!と困惑した面もあったのでしょう。(刀使ノ巫女がどの程度マーケティングを行なっていたかも全く知らないので、この辺りは推測でしかありません。)制作側が情報を隠す方に目が向いていて、受け手に伝える努力がきちんとなされていない。

 


例えば「私、衛藤可奈美!美濃関中学に通う中学2年生!この度友達の舞衣ちゃんと剣術日本一を決める全国大会に出ることになりました!どんな相手がいるんだろ~ワクワクするなぁ!」と1話お約束のヤツを入れるだけでもだいぶ親切になったでしょうね。あとは写シ、迅移、金剛身などの説明を左下に枠出して文字でやるとか、その辺の一工夫が足りないようには思います。

 


ただ、現状すぐに2話、3話と見ることが出来るので、そこまで悪い1話とも言えないのではないか?と感じますね。ちょっと不親切な程度に纏まっており、多少の推察力で十分補完可能であるかと思います。

説明はテンポを犠牲にするため、舞台が完全に現代日本と同じでもない限りそのリアリテイの差を全て解説しようとするとキリがありません。そこで我々受け手は自身の持ちうる感受性によって提示されたストーリー、世界観を補完しつつ見ており、その一般的な許容範囲内から大きく逸脱すると当然ながら評価は下がります。

 

私の見立てでは、刀使ノ巫女がこの許容範囲からそこまで外れているようには見えない。が、現状世間の評価はすっごく不評…この差はどこから出ているのか、自分の物分かりが良すぎるのか、世間のアニメに対する目が想像よりも厳しいのか、判断をつけられないところです。1話だけに考慮するならば、もしかするともっと舞台のリアリティラインを下げた方が良かったかもしれませんね。後の魅力的なノロの歴史に関する設定が犠牲になりますが…

 


皆さんも実感があると思うのですが、1話が不発のアニメは中々見てもらえません。広めようとするにも必ず前置きが必要であり、宣伝の仕方も控えめになってしまうところがあります。紹介する時はちょっと説明が足りないくらいでいいんじゃないでしょうか。

 


もう一個拍車をかけたのがCGとS装備のデザインでしょうね。こっちは自分もやべーなと思いました。戦闘自体はまあ見れるかなという感じだったけど、ジャンプがふんわりすぎて… CGを多用する作品は基本的に尻上がりに良くなっていきますよね。刀使ノ巫女もかなり向上したと思います。

 


否定意見を見ると大抵脚本面がボコボコに叩かれていたので、全体的なマイナス評価が「意味不明」という一つのワードに纏まってしまったのかな、と言う印象を受けました。皆さんの見方はいかがでしょう?親切な方がいらっしゃれば、御意見伺いたいですね。


以上になります。全て見てくださった方、ありがとうございました。