とら目線

創作と向き合う

刀使ノ巫女 感想 1〜7話

荒魂を斬って祓う神薙ぎの巫女―刀使ノ巫女。感想です。  だいぶ前にTwitterで告知をしたのですが、予定より大幅に遅れた上、本来最初に投稿するはずであった記事(ネタバレを極力省いた、誰でも読めるもの)の調整も間に合わず、こちらを先に上げる始末となっております。 待っていただいた方、大変申し訳ありませんでした。〆切に追われるかおす先生(こみっくがーるず)の気持ちを身を以て体験しました…あばばばば…

 

記事を書くにあたって殆どの部分を見直しているので結構細かいですが、その分後半の伏線に関する言及もあるため、24話まで見ていない方にはオススメしません。演出論はあまり好きでないし語れるようなタイプでもないので、人や心の面を中心に見ていきます。感覚的には皆さんと共有できるようなものであると思います。ただ、16000文字くらいあるようなので、途中で分けます。


注意点:1話のみ書きたいものが異なるので、その部分は悩んだ末、12話の後の一番最後に回しました。感想ではなくおまけです。

 


ちなみに刀使ノ巫女、放送終了後の7月まで名前も知りませんでしたが、『こみっくがーるず』の本渡さんがいるということで存在を把握し、『あそびあそばせ』で木野日菜さんも好きになり、すんなり見ることが決まりました。それが9月には長文のブログを書いているのですから、なかなか奇妙な縁ですね。

 


1話

最後に回した文章とは別に、一応普通に感想を書いてみました。そんなに詰まった内容ではないですが…

 

沙耶香ちゃんの戦闘シーン、可奈美vs舞衣、鎌倉出発→姫和と接触、旅館到着、全国大会、折神紫襲撃事件発生と盛り沢山な1話。本当に序章なため、示唆的なシーンは千鳥と小烏丸の共鳴くらい。静かな立ち上がりですね。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

1話からお風呂とはけしからん。もっとやれ

 

姫和の同行者
あまり出番のある子ではないので、ここで平城学館2番手の岩倉早苗ちゃんについても触れておきたい。癖の強いヤツを同行者に引いてしまって可哀想…どんな流派なのかも含めて、この子には興味があります。かわいいし。

 

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(c)五箇伝計画/製作委員会

 健気に話しかけてるのに無視されてますね…

 

五箇伝剣術全国大会
1戦ずつ見ていきましょうか。

 

1回戦

沙耶香vs可奈美

迅移による機動戦。可奈美の太刀筋が何となくわかる一戦です。沙耶香ちゃんかわいい。


舞衣vs薫

薫、やる気無し。その状態でも全国大会に出れてしまうほど長船は戦力不足なのか…


2回戦

姫和vsエレン

エレンはちゃんと自身の戦法(タイ捨流)を披露。ただ金剛身は隠してますね。

姫和の方は一瞬手を大きく広げ敵の縦斬りを誘発した後、即座に刀を肩口に担ぐような形から横薙ぎで弾く…中々奇抜な戦法で隙を作らせ勝ちました。これが鴫の羽返しって言うんですかね?webとかじゃ調べても出て来ないんでよく分かりません…


準決勝

可奈美vs舞衣

美濃関大会決勝で敗れた経験から、舞衣は居合の構えで決戦。可奈美は回り込んだあと、真っ向勝負ではなくまず舞衣の刀を止めることで安全に(?)勝ちました。これには真希と結芽も反応してますね。刀の軌道がしっかり見えてないと手で止めることは出来ませんからね。

 

決勝
可奈美vs姫和

ご存知の通りお預けとなった一戦。ただ、もし姫和が開幕と同時に一つの太刀を発動していたら…いくら可奈美でも、さすがに対応できなかったでしょうね。見えていたようですが、速度と距離を考えると弾けたかどうか…

 


で、まあ頭のどうかしているやべー奴が紫様に一太刀入れてしまったので、可奈美も助太刀して一緒に逃げることになりました。舞衣ちゃんも早苗ちゃんも可哀想…

 


2話

逃避行の始まり。特別好きなジャンルではないものの、『ランナウェイ~愛する君のために~』という無実の男たちによる脱獄&逃走ドラマ(2011年放送)が今でも印象に残っていることもあり、個人的に少し特別なものだったりします。7年前の記憶を思い出しつつ見る4話までの展開には、胎動編の中で最も引き込まれたかもしれません。

 

柳瀬舞衣の追求
2話は舞衣ちゃんが話の中心。いきなり友人が全国指名手配犯になり、本人も取調べの為に一時監禁。そりゃ逆探知もしますよ。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

修羅場の後は可奈美を信じて引き下がる良妻っぷりもポイント。二人とも友達想いで辛いですね。

 

 

「2人の距離」
2話のタイトルは近くにいるのに遠い可奈美と姫和、離れても心で繋がることのできる可奈美と舞衣の両面を指していると受け取ることができます。(注) 可奈美も積極的にアプローチをかけてますが、まだ姫和の心を開くには遠いようですね。というか途中まで可奈美の名前すら覚えてないし…ほんとこの脳筋は…

 


(注)離れても心で繋がっている、と書きましたが、物語中で繋がり方の形が変化しているため、その点についてストーリーの流れと絡めつつちょっと追記しようと思います。

 


舞衣にこっそり電話をかける可奈美、心配して連れ戻そうと動く舞衣は双方心で繋がってはいるものの、舞衣は大荒魂を視認できていないので現状認識に差があります。その為舞衣はわざわざ東京まで追いかけ、姫和と相見える。その際可奈美が姫和を守ったことによって二人の心は(御刀を通して)明確に分断されてしまうものの、可奈美の話を信じることで理解が深まり、より‘‘正しい’’形に再結合される。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

可奈美も舞衣の思いをちゃんと受け取ります。

 

その結果として舞衣は可奈美を逃がし、可奈美も舞衣を信じて塁さんのところへ行くのですね。美しい友情です。(舞衣⇔姫和の距離が離れていることも純度の高さに拍車をかけていますね。)

 


3話

高津学長大暴れ、鎌府の最高傑作沙耶香ちゃんが襲いかかる3話。無念無想でキラキラしてる沙耶香ちゃんも可愛いですね。まあ負けましたけど…

 

可奈美vs沙耶香

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

ここでふふってなっちゃった人多いのでは?異端ですかね…

 

可奈美が剣を奪い無力化するシーンは‘‘守る剣’’としての初仕事ですが、一瞬間があるせいか妙なコミカルさがあってちょっと笑ってしまいました。1話でも可奈美は手で舞衣の刀を止めてましたが、実は格安スマホと言われる百錬覇王でも剣を手掴みで止めるシーンがあります。詳しくないですが、殺陣ではオーソドックスな戦法(演出)なのかもしれませんね。時代劇とか見てれば分かるのかもしれません。

 

姫和との逃亡生活

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

大きめの服着てる女の子が好きなので2.3話の服装は好みに刺さってグッドでした。

 

逃亡生活は適度に緊張感もありつつ、息苦しすぎない程度に楽しく過ごしていてバランスがいい。説明シーンもすっと頭に入ってきます。片付けようとして逆に散らかしちゃう可奈美なんか、ほんとに可愛いですね(普段は舞衣ちゃんの仕事だったんでしょうね…)。料理と食事の際に小烏丸が見当たらないことから、姫和も多少は警戒心を解いてくれたようです。ただ、沙耶香襲来の時持ってないと死んでましたけどね…

 


3話は沙耶香ちゃんと仲直りして終了。沙耶香ちゃん、鎌府最高傑作というほど強いようには見えませんよね。恐らく荒魂との適合率も良かったのでしょう。皆さんは最強沙耶香in荒魂見たいですか?ぼくは見たくないです。

 


4話

冒頭でまーた一人になろうとする姫和。人の荒魂化ってどんな現象なのでしょう。荒魂に襲われて取り込まれる…とか、大量のノロを浴びる…とか、想像できるのはそんなところでしょうか。正直この世界の日本で生まれてたら海外移住…日本脱出ですよね。怖すぎて住みたくないです。

 

可奈美vsエレン、薫

残されてしまった可奈美はエレン&薫と戦闘。危うく敗北しかけるものの、すんでのところで姫和が助けに来てくれます。ツンデレですねえ。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

和の奇襲を避けてぺったん座りのエレン。可愛い。


この戦闘は紆余曲折の末結局逃走で一旦幕引き。舞草が面倒な仕込みをしたせいで一手間増えましたね…「一つの太刀」を使い、その後二人で親衛隊の結芽から逃げ果せたというだけでもテストはパスで良かったんじゃないでしょうか。

 

 

可奈美の決意
さておき、退避先の廃屋で重要な会話が交わされます。‘‘斬る’’剣を背負う姫和の覚悟を裏打ちするものはあまりに重く、目的を叶えるまで終わることもない。それを助けるために、可奈美は‘‘守る’’剣として自分にしか出来ない使命を志します。3話で沙耶香ちゃんを斬らなかった可奈美らしい決意が力強く描かれるシーンですね。

 

姫和の覚悟
暴走癖もある姫和ですが、彼女には敵の規模や自身の復讐心を理性的に捉え、高めた剣のみで母の無念を晴らそうとするスマートな面があります。自発的についてきた可奈美のこともよく見ており、安易に頼ることで破滅の道に引きずり込まないよう、単独行動に拘ろうとしている。(可奈美ほどの実力者であれば、少なくとも利用した方が実利的であることは疑いようがありません。人を斬れないから足手まとい、というのは半分本音で半分建前でしょう。)

逆に考えれば現実を見通す能力に長けているが故に、最も調整の楽な道を選んでしまった。と言えるかもしれません。(注)

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

母宛の手紙を握りしめる姫和。3話の料理シーンなど、多くの場面から彼女が母を本当に愛していたことが伝わります。


確かに信念を固め目的を一本道に定めれば、迷いや判断機会は少なくなります。反面、視野を狭めるデメリットもある。例えば2年前、朱音さんが送った手紙を手掛かりにすれば舞草にコンタクトが取れたかもしれない。姫和の目的は個人的な復讐(の面が強い)ですが、最終目的がほぼ同じ舞草の計画もチェックしておき、より成功率の高い方に賭ける方が本来合理的なはずです。しかし彼女には紫(タギツヒメ)に捨て身で特攻する選択肢しか思い浮かばなかった。姫和自身が柔軟性に欠けるタイプなのもあって脳筋一直線になってしまったわけですね。

 

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 (c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

可奈美の心を時に厳しく退けつつも、決して無下にしない姫和の受け取り方には、母譲りの優しさを感じます。


更に現実と復讐心の板挟みになることで鬱屈とした感情が溜まり、苦しみも倍増してしまう。そのような状況下に置かれながら一人静かに爪を研いできた姫和の感情を推し量ることは容易ではないですね。だからこそ、可奈美も「半分」持つ決断をしました。加担したり、想いに揺らぎをかけるようなことはせずただ感情を理解し、半分持つ。姫和の覚悟の表れと、可奈美の優しさが詰まったシーンになっていると思います。

 


(注) 人と感情を共有することは想いを分散するメリットもありますが、接続が大きくなるほど外部に漏れる可能性も高まりますし、作中で姫和が言っているように「共謀者」として人斬りに加担させ、自身も斬られるリスクを抱えて行動しなければなりません。責任を背負わせるには代償が重すぎる。だから姫和は突撃したわけですが、自身が決勝に勝ち上がれば確実に一太刀入れられる代わりに確立の保障されていない無謀な計画でしかない。事態の単純化という‘‘楽’’な選択のために成功可能性を犠牲にしてしまったところがありますね。

 

 

 

5話

こっちは結構色々起こる回ですね。ねねにデレデレの可奈美、そっぽ向かれて「は?」と半ギレになる姫和、大変可愛い。

 

衛藤十条vs獅童此花
バトルは二局面が同時進行。この辺では親衛隊弱いなと思いましたけど、全国大会今年度決勝vs前年度決勝対決と考えると若干劣勢くらいでおかしくない…かな?OP投げ(2期)で獅童真希を討ち取っちゃう2人。コンビも中々板についてきた感じです。作戦は完全に可奈美任せでしたけどね笑

 

薫vs夜見
薫は荒魂使いのやべーやつと遭遇。初見時は自我とか乗っ取られないのかな…って考えてました。5話で稀に人が荒魂化するって言ってましたよね。夜見さんはその辺特別な体質なんだと思いますけども。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

「俺も少し、本気出す。」

自身より周囲の危機のために立ち上がる薫。

 

ねねみたいなキャラクターはちょっとズルくて、嫌いになろうとしてもなれないので、身内想いで本気になるとかっこいい薫と相性抜群ですね。薫も荒魂との関係的に役割の大きいポジションですから、印象に残るシーンが多いように感じます。(彼女については2期の方で詳しく述べると思います。)

 


6話

エレン、敵地潜入

夜見さんが大変なことになる回、まずはエレンvs此花の両参謀頭脳戦。まあ結果は引き分けですが、エレン側からもっと挑発してれば赤い目を引き出せたのかもしれません。ただその辺木バキバキにしてる🦍希さんとは違うと思いたいところ。


エレンは刀剣類管理局による悪事の決定打を得るためにノロ入り注射器を回収。見た目からは想像出来ないくせ者っぷりを発揮し、敵陣本部を掻き乱します。しかし夜見戦では、底知れぬ敵にも体術での鎮圧を試みたため、失敗してしまう甘い面も見せました。舞草として対人戦を想定していたのでしょうが、彼女も‘‘守る’’剣に近い戦闘スタイルですね。御刀はあくまで制圧手段の一つとしか考えていません。あと手癖が悪い…これ以上は触れないことにしましょう。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

エレンは明るい性格と掴みどころのない知的な面を持ち合わせている珍しい女の子ですが、その両面共に表の顔であり、心に嘘がない。個人的に凄く好きです。

 

主人公チームvs暴走夜見
逆に‘‘あの方’’の御為ならリスカもおクスリも厭わない夜見さん。薫たちの助けが入り劣勢と見るや制御出来ない量のノロを躊躇無く打ち込みます。こわい。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

最早人間の放っていいオーラを超えてしまった夜見さん。姫和が斬れと言うのも仕方ないですね…

 

しかし可奈美を仕留める直前でスーパー荒魂タイム時間切れ。この後11話まで安静状態ですし、いくら適合体質とはいえかなりダメージが残ったみたいですね。6本くらいで止めておけば可奈美だけでも仕留められたかもしれません笑

ところで暴走時、可奈美も巻き込まれていたのは特に意味なかったんでしょうか。あのままだと身体に浸食してきてたり…?

 

 

 

7話

舞衣ちゃん、沙耶香ちゃんが軸となる回。そっちはとりあえず後にしましょう。

説明オタクフリードマン

謎の太字。色々語ってくれるのはいいんですけど、構図上動きが少ないのもありちょっと眠い。ここの説明よりもエレン薫の言ってたひよよんのせいで舞草の準備がぶっ壊れたという方が興味深いですね。どんな作戦だったのか気になるところです。

 

可奈美とお師匠様の話に関しては2期の方で詳しく述べるつもりです。

 

‘‘糸見沙耶香’’の道
さて本題に入りましょうか。まずは大枠の流れを整理しましょう。

①沙耶香、舞衣に電話→合流

②結芽襲来→帰還拒否

鶴岡八幡宮決戦 結芽vs沙耶香

④結芽vs舞衣→沙耶香

⑥高津学長との別れ

 


アバンで荒魂の受け入れを拒否しちゃった沙耶香ちゃん。豪快に窓ガラスを破壊(2回目)し脱出してみたものの、助けを呼ぶにも何といえばいいか分からず声が出せない。自分の感情を言葉に出すこともままならず、結局一人で閉じこもってしまうばかり。そんな沙耶香ちゃんを舞衣ちゃん側から迎えに来てくれます。お姉ちゃんだもん。

 


高津おばちゃんと夜見の会話を盗み聞きして(異様に探索能力の高い)結芽が連れ戻しに来ますが、舞衣の助けを借りてやっと一言、「嫌だ」と発することが出来ました。一歩前進ですね。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

初めて自分を出した沙耶香ちゃん。「助けて」と言わなくても助けてくれるお姉ちゃんがいるから出来たことです。


勿論結芽が逃してくれるはずもなく、鶴岡八幡宮で決戦。この際3話と違い、沙耶香ちゃんは無念無想を使いません。タイトルである「心の疼き」通り、7話の主題は沙耶香ちゃんが自身の(心の)ために動き、舞衣との行動を選ぶことにあります。つまり、‘‘鎌府の道具’’たる象徴の無念無想は使えない。ただ、この技控えた時点では未だ自我を前面に出すことにも抵抗があるため、どっち付かずで迷いを断ち切れない。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

自分の心のままに。沙耶香ちゃんをほっとけない、助けたい、守りたい。それだけで十分なんです。


そんな彼女を舞衣は「お姉ちゃんだから」というシンプルな理由で守り抜こうと戦います。ここで漸く胸を流れる熱いものに従えばいいと理解し、叫び声と共に糸見沙耶香という人格が産声を上げる。結芽には及ばなかったものの、沙耶香ちゃんは一つ壁を破る事が出来ました。

 

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(c)五箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会

「これを、無くしたくない!」 結芽と対峙する沙耶香。相手が自意識に従って目的を叶える権利を有しない(制限がある)結芽であることは、悲しいところです。


最後は思わぬ結芽の手助けで高津学長と対峙し、心にあるものをぶつけます。空っぽだった沙耶香ちゃんに流れ込んでくる熱、それが‘‘モノ’’である道具を‘‘人’’の沙耶香ちゃんに変えたわけですね。7話単体で見ても非常に精度が高いのですが、沙耶香ちゃんの成長プロセスは総じて整っており、恵まれたキャラだなあと思います。

 

夜見の想い
まだ語るべき点は尽きず…夜見と高津学長の会話も取り上げます。鎌府はコミュニケーション難が多く、捻くれの高津おばちゃんに夜見の真意は伝わりません。多分物語開始以前からこんな関係だったのでしょうけど、ちょっと辛いシーンですね。親衛隊は無言の会話で相互に影響を与えあっている面があり、結芽ちゃんの気紛れも夜見に対するフォローの意味合いが強かったのかもしれません。

しかし高津学長が来た時点で結芽の戦う理由(周りをびっくりさせること)が無くなっちゃったので、モブ子ちゃんたちを一瞬で斬り伏せて帰っていっちゃう。この辺り、まだまだ欲望に忠実な子どもですね。その生き方を14話で幸福と断言した夜見さんの見方も、保護者的でまたエモい。

 


あと、高津学長はマインドコントロールが下手すぎますね。子どもの自発性を完全に潰す育成方法もあったでしょうに。ゆかり様への忠義という自身の目的を鏡に注ぎ込もうとしたのでしょうが、さすがに本人の前で道具呼ばわりはないでしょう…  

 


舞衣ちゃんのお尻とか沙耶香ちゃんと並んでるシーンで際立つでかさとか、まだまだ細かいところはあるんですけど、キリがないのでこの辺りで。舞衣ちゃんかわいいよね舞衣ちゃん。

 

さて、ここで一旦切ります。

長いので。次は8〜12話、一番最初に触れた1話のおまけです。すぐ上がります。